【アパート 耐震工事】築20年でも蘇る!老朽化対策の決定版

目次

1. はじめに

築20年を迎えたアパートは、見た目の老朽化だけでなく「建物の強さ」にも注意が必要です。
特に地震の多い日本では、耐震性が不十分な建物は入居者にとって大きな不安材料。
一度「地震に弱い物件」と認識されてしまえば、空室率の上昇や家賃下落にも直結します。

そこで注目されるのが 耐震工事による老朽化対策
適切な耐震補強を行うことで、築20年以上のアパートも「安全で安心できる物件」へと生まれ変わります。

2. 耐震性不足を放置した場合のデメリット

入居者の不安と退去リスク

入居者や内見者にとって、「地震が起きても安心して暮らせるかどうか」は非常に重要な判断材料です。
例えば、天井や壁にひび割れが見える、建物が揺れやすい、築年数が古いといった条件が重なると「この物件は大丈夫だろうか?」という不安を抱かせます。

こうした不安は更新時の退去や新規契約のキャンセルにつながりやすく、特にファミリー層や女性入居者は「安全性」を最優先にする傾向が強いため、影響は大きくなります。
実際に、耐震補強がされていない物件では「家賃が安くても住みたくない」と判断されるケースも珍しくありません。


損害リスクの増大

耐震性が不足している建物は、大きな地震が発生した際に部分的な崩壊や設備破損を起こす可能性が高くなります。
壁のひび割れ、屋根やバルコニーの落下、配管の破損などが生じれば、建物自体の修繕費に加えて、入居者の家財や身体への被害に対してオーナーが補償責任を問われるリスクもあります。

例えば、大規模地震で共用部が崩れ、入居者がケガをした場合、損害賠償請求に発展する可能性も否定できません。
さらに、被害が大きければ建物が「危険建築物」とみなされ、入居者が避難して空室が一気に増えるという事態も起こりえます。


資産価値の低下

築年数が経過した物件は、ただでさえ市場評価が下がりやすいものです。
そこに「耐震性不足」というマイナス要因が加わると、売却時の査定額や融資評価に大きく影響します。

金融機関は担保価値を厳しく見ています。耐震補強がされていない物件は融資条件が厳しくなり、借入金額が下がったり金利が上がったりするケースもあります。
また、売却を検討した場合でも「耐震工事が必要」という条件付きでは、買い手から大幅な値下げ交渉を受ける可能性が高くなります。

「売りたくても売れない」「借りたくても借りられない」
これが耐震性不足を放置する最大のデメリットといえるでしょう。


3. 長期的に得する耐震工事のポイント

3-1 耐震診断を受ける

耐震工事を検討する際は、まず専門家による耐震診断を受けることが不可欠です。
診断では建物の図面や構造を確認し、ひび割れや傾きの有無、基礎や壁の状態などを調べて「地震に対してどの程度の強さがあるか」を数値化します。

診断結果をもとに「部分補強で対応できるのか」「大規模な補強が必要か」が明確になり、無駄のない修繕計画を立てることができます。


3-2 適切な補強方法を選択

耐震補強にはいくつかの手法があり、建物の状況に応じた選択が重要です。

  • 耐震壁の設置:既存の壁を強化したり、新たに壁を増設することで建物全体の剛性を高める方法。
  • 鉄骨ブレースの追加:筋交いの代わりに鉄骨を挿入し、横揺れに強くする工法。軽量かつ強度が高く、木造・鉄骨造の両方で利用可能。
  • 基礎補強:建物を支える基礎部分に補強を加える工法。地盤や基礎が弱い場合に特に効果的で、建物全体の安定性を確保する。

補強方法によって費用や工期が異なるため、建物の規模・構造・築年数を考慮したうえで最適な工法を選ぶ必要があります。


3-3 他工事との同時施工でコスト削減

耐震工事は、足場を組む必要がある場合が多いため、外壁塗装や防水工事と同時に行うのが効率的です。
一度の足場設置で複数工事を済ませられるため、数十万円〜数百万円単位のコスト削減が可能になります。

また、工事をまとめて行えば施工中の入居者への負担も最小限に抑えられ、クレームやトラブルを防ぐ効果もあります。


3-4 補助金や制度の活用

多くの自治体では、耐震診断や耐震工事に対して補助金を用意しています。
特に築年数が古い木造や鉄骨アパートは対象となるケースが多く、費用の一部を助成してもらえる可能性があります。

さらに、地震保険や税制優遇制度と組み合わせれば、オーナーの実質的な負担を大幅に軽減できます。
「知らなかった」では大きな損。早めに自治体や専門業者に確認することが重要です。


4. 耐震工事で得られるメリット

入居率の向上

「耐震補強済み物件」と広告に明記できることは、入居者にとって非常に大きな安心材料となります。
特に地震の多い地域では、耐震性を重視する入居者が増えており、競合物件との差別化につながります。
結果として内見からの成約率が上がり、空室率を下げる効果が期待できます。


家賃の維持・アップ

安全性の高い物件は「古いけれど管理がしっかりしている」と評価されます。
そのため、家賃を相場並みに維持しやすく、場合によっては「安心感のある物件」として相場より高めの家賃設定も可能です。
逆に耐震性が不足していると、「安くなければ住みたくない」と言われてしまい、値下げ圧力がかかります。


修繕費の削減

耐震補強を行っておけば、地震発生時の被害を最小限に抑えることができます。
仮に大規模な被害を受ければ、修繕費や補償対応で数百万円〜数千万円規模の出費となることもありますが、補強を済ませておけばそのリスクを大幅に減らせます。

長期的に見れば、耐震工事は「将来の修繕費を前払いしてリスクを回避する投資」といえるでしょう。


資産価値の維持・向上

耐震性が確保されている物件は「安心して長く使える資産」と評価されます。
売却時には「耐震補強済み」としてプラス査定され、融資審査でも担保価値が上がります。

築年数が古くても「耐震工事を行っているかどうか」で評価は大きく変わります。
耐震補強は、単に入居率を高めるだけでなく、資産価値そのものを守るための施策なのです。


まとめ

耐震性不足を放置すれば、入居者の不安・損害リスク・資産価値の低下といったデメリットが重なり、経営全体を圧迫します。
一方で、耐震診断を行い、最適な補強方法を選び、他工事と組み合わせて計画的に進めれば、長期的に大きなメリットを得られます。

耐震工事は「コスト」ではなく「未来への投資」。
築20年以上のアパートを安心して長く経営するために、今こそ前向きに検討すべき修繕です。

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