【アパート 階段補修】トラブル前にやっておきたい予防修繕

1. はじめに
アパート経営において、「階段」は入居者が毎日使う共用部であり、建物の中でも最も劣化が早く、トラブルが起こりやすい箇所のひとつです。
築15〜20年を過ぎると、鉄部のサビ、手すりのぐらつき、コンクリートのひび割れなどが進行し、放置すると転倒事故や腐食による崩落リスクにもつながります。
多くのオーナー様が「問題が起きてから修繕を検討する」傾向にありますが、実は**“トラブル前に行う予防修繕”こそ最も費用対効果が高い投資**です。
この記事では、階段補修を先延ばしにした場合のリスクと、予防修繕で得られる効果、そして実際に行われているメンテナンスの方法を詳しく解説します。
2. トラブルが起きてからでは遅い!放置のリスクとは
2-1 腐食・ひび割れの進行で高額修繕に発展
階段の鉄骨部分や踏板は、常に雨水や湿気にさらされており、見えない部分からサビが広がるのが特徴です。
初期段階なら塗装で防げますが、腐食が内部まで進行すると**階段全体の交換(200〜500万円規模)**が必要になることもあります。
【早期対応】塗装+ケレン処理 → 約50〜80万円
【放置後対応】階段交換+構造補強 → 約300〜500万円
放置すればするほど、修繕コストは数倍に跳ね上がるのです。
2-2 入居者の安全を脅かす事故リスク
鉄部の腐食や手すりのぐらつきは、入居者の転倒・落下事故につながる恐れがあります。
コンクリート階段の場合も、ひび割れから雨水が浸入し、内部鉄筋が錆びて膨張→**爆裂(表面剥離)**が起きると非常に危険です。
万が一事故が起きた場合、オーナーには建物管理責任が問われる可能性もあります。
「大丈夫だろう」という油断が、思わぬトラブルにつながるケースも少なくありません。
2-3 クレーム・退去・資産価値の低下
階段の劣化は見た目にも影響します。
サビや汚れが目立つと「管理が悪い」「古い」と感じられ、入居者満足度が低下。
その結果、退去率の上昇や空室リスクにつながります。
また、物件売却や再融資の際にも「修繕必要あり」と判断され、査定額が下がる要因になることも。
日常的な維持管理が、結果的に資産価値を守る最大の防御策です。
3. 予防修繕のメリット
3-1 小さな費用で長期的なコスト削減
早期補修なら塗装・部分補修で済むため、費用を抑えながら劣化を止められます。
小さな費用を定期的にかけることで、数百万円単位の大規模修繕を防ぐことができます。
例:5〜7年ごとの塗装メンテナンス → 階段寿命+10年以上延命
= 長期的には1/3以下のコストで維持可能
3-2 入居者の安心感・信頼感アップ
見た目がきれいで安全な階段は、「管理が行き届いている物件」として入居者に好印象を与えます。
「安心して暮らせる」「子どもや高齢者にも安全」という印象が、更新率の向上や口コミ紹介にもつながります。
3-3 事故・クレームの未然防止
階段は避難経路でもあり、安全性を維持することはオーナーの責務です。
定期点検や塗装メンテナンスを実施していれば、「予防措置を講じている」として法的リスクも軽減されます。
3-4 見た目が若返り、入居率アップ
階段の補修で外観全体が明るくなり、「築浅に見える」「清潔感がある」と評価されやすくなります。
実際、階段塗装後に空室が埋まったケースも多く報告されています。
4. 具体的な予防修繕メニュー
4-1 鉄部階段のケレン+防錆塗装
サビや古い塗膜を落とすケレン作業を行い、防錆塗料を下塗りしてから仕上げ塗装。
シリコン塗料やフッ素塗料など、耐候性の高い塗料を選べば10年以上劣化を抑制できます。
費用目安:30〜80万円
効果:防錆・艶出し・印象改善・長寿命化
4-2 コンクリート階段のひび割れ補修+防滑仕上げ
ひび割れ部分にはエポキシ樹脂を注入し、防滑仕上げ材を塗布。
滑りにくく安全性が高まり、雨天時の事故防止にもつながります。
費用目安:20〜50万円
効果:防水・安全・見た目改善
4-3 手すり・支柱の補強・交換
ぐらつきのある手すりは、事故のもと。
部分交換や溶接補強で安全性を確保します。
あわせて艶あり塗装を施すと、清潔感と高級感も演出できます。
費用目安:10〜30万円
効果:安全性アップ・視覚的な若返り
4-4 階段+廊下の同時メンテナンス
階段と外廊下は構造的に連動しているため、同時施工がおすすめ。
足場を共用できるので費用を抑えられ、外観全体の統一感も生まれます。
同時施工で足場費用を20〜30%削減可能。
5. 実際の予防修繕成功事例
事例1:築24年鉄骨アパートで早期補修→費用1/3に削減
外階段のサビが進行する前に防錆塗装を実施。
施工費60万円で済み、もし放置していれば交換費用300万円超の見込み。
予防修繕で240万円のコスト削減に成功。
事例2:コンクリート階段のひび補修+防滑仕上げで事故防止
築28年RC造アパート。階段で入居者がつまずきかけたのを機に早期補修。
補修+防滑材施工で安全性が向上し、以後クレームゼロ。
入居者満足度が上がり、更新率が95%に。
事例3:階段+廊下を定期塗装で“築浅印象”をキープ
築30年の鉄骨3階建て。5年ごとに防錆塗装を実施。
外観の美しさを保ち、不動産会社から「管理状態が良い」と高評価。
家賃を下げずに満室を維持。
6. 効果的な予防修繕の進め方
6-1 まずは点検・診断から
専門業者に現地調査を依頼し、
- サビの有無
- ひびの深さ
- 手すりの強度
などをチェックしてもらいましょう。
点検結果をもとに、**「今すぐ補修が必要か」「数年後で良いか」**を判断できます。
6-2 劣化レベルに応じた対応を
| 劣化レベル | 状況 | 対応内容 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 軽度 | 塗膜剥がれ・小さなサビ | 再塗装 | 約30〜60万円 |
| 中度 | ひび・一部腐食 | 部分補修+塗装 | 約60〜100万円 |
| 重度 | 腐食進行・ぐらつき | 溶接補強・交換 | 200万円以上 |
軽度のうちに対応するほど、コストと工期を最小限に抑えられます。
6-3 補助金や助成金も活用を
自治体によっては「高齢者住宅改修」「長寿命化改修」など、
階段補修が対象となる補助金制度が設けられている場合があります。
事前相談すれば、費用の10〜30%を補助してもらえることもあります。
7. まとめ
階段の劣化は“静かに進行するトラブル”です。
見た目に変化がなくても、内部では腐食が始まっているケースも少なくありません。
予防修繕のポイント:
- 定期点検と早期対応でコストを大幅削減
- 安全・安心で入居者満足度アップ
- 管理状態が良くなり、資産価値を維持
事故が起きてからでは遅い——。
だからこそ今、**「トラブル前の一手」**を打つことが、長期安定経営への最短ルートです。
築20年以上のアパートをお持ちの大家さんは、ぜひ階段のチェックから始めてみてください。
お問い合わせ情報
アパートマンション大規模修繕ダイレクト 東三河店
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