【アパート 鉄部塗装】トラブル前にやっておきたい予防修繕

1. はじめに
アパート経営において「修繕費を抑えたい」というのは誰もが抱く思いです。しかし、劣化が進んでから大規模修繕を行うよりも、小さな段階で予防的に修繕する方が圧倒的にコストを抑えられるのをご存じでしょうか。
特に鉄部は、外階段・手すり・ベランダ柵・玄関ドア枠など入居者が毎日使用する部分であり、サビや劣化が進むと安全性にも直結します。事故やクレームが起きてから修繕するのでは遅く、予防的に鉄部塗装を行うことが、安定経営のカギになります。
この記事では「鉄部塗装をトラブル前にやっておくべき理由」と「予防修繕の具体的なポイント」を大家さん目線で解説します。
2. 鉄部の劣化がもたらすトラブルとは
鉄部は放置すると見た目だけでなく、構造的な問題や入居者とのトラブルを引き起こします。
2-1 サビによる安全性の低下
サビは進行すると鉄部を内部から侵食し、強度を低下させます。
- 階段の踏板に穴が空く
- 手すりがぐらつく
- ベランダ柵が折れる
万が一事故につながればオーナーの責任問題となり、補償や信用失墜という大きなリスクを負うことになります。
2-2 外観の印象悪化
鉄部の劣化は入居希望者に「古い物件」「管理が行き届いていない」という印象を与えます。内装をリフォームしていても、共用部分が劣化していれば成約率は下がり、空室が長期化する原因になります。
2-3 修繕費用の増大
サビの初期段階で塗装を行えば数十万円で済む工事も、放置して鉄部交換が必要になると数百万円単位に膨らみます。予防的に修繕しておけば、大規模工事を防ぎ、長期的なコスト削減につながります。
3. 予防修繕のメリット
3-1 コストを最小限に抑えられる
予防修繕は「サビが広がる前」「劣化が軽度なうち」に対応するため、最小限の塗装で済みます。結果として費用は数分の一に抑えられます。
3-2 入居者の安心感を確保
きれいで安全な共用部分は入居者に「長く住みたい」と思わせ、退去率の低下につながります。逆に劣化した物件は「早く引っ越したい」と思われてしまいます。
3-3 外観の若返り効果
鉄部を艶やかに塗り替えるだけで、築年数以上に古びて見えていた建物が若返ります。入居希望者の第一印象も大きく改善され、空室改善に直結します。
3-4 資産価値の維持・向上
「鉄部塗装済み」と明記できれば、査定時にプラス評価を得られます。売却や融資の際にも有利に働きます。
4. 見逃し厳禁!鉄部劣化のチェックポイント
予防修繕を行うには、劣化の初期サインを見逃さないことが重要です。
- 表面にサビが出てきている
- 塗装が剥がれ、下地が見えている
- 触れると赤茶色の粉がつく
- 手すりや階段がぐらついている
- 築10年以上で一度も鉄部塗装をしていない
これらの兆候が見られたら、早めに専門業者に相談し、予防修繕を検討すべきです。
5. 鉄部塗装の施工工程と効果
予防修繕としての鉄部塗装は、以下の工程で進められます。
5-1 ケレン作業(下地処理)
サビや古い塗膜を削り落とし、表面をきれいに整える作業。ここを丁寧に行うことで、塗料の密着性が高まり仕上がりが長持ちします。
5-2 下塗り(防錆塗料)
サビの再発を防ぐため、防錆効果のある下塗りを行います。これにより鉄部を長期間保護できます。
5-3 中塗り・上塗り
仕上げ用の塗料を2回に分けて塗布します。シリコン塗料やフッ素塗料など、耐久性の高い塗料を選べば長期間の効果が期待できます。
➡ この流れで施工することで、築古アパートでも鉄部が新品のように蘇り、見た目・安全性・耐久性すべてが改善されます。
6. 費用相場と投資効果
鉄部塗装の費用相場は以下の通りです。
- 外階段・手すり一式:30〜80万円
- 共用廊下・ベランダ鉄部:50〜150万円
- アパート全体の鉄部一式:100〜300万円
一見高額に思えますが、空室が1戸埋まるだけで年間数十万円の収入増が見込めます。複数戸埋まれば1〜2年で投資回収が可能です。さらに、補助金を活用できる場合は自己負担を抑えられ、費用対効果は非常に高くなります。
7. 事例紹介:予防修繕で成功した大家さん
事例1:早めの階段塗装で事故リスクを回避
築20年を迎えた木造アパートのオーナーAさん。共用外階段の踏板に小さなサビが浮き始めているのを発見しました。まだ見た目には大きな問題がなく、入居者からクレームもありませんでしたが、「今のうちに手を打とう」と判断。
ケレン作業(サビ落とし)を丁寧に行い、防錆下塗り+シリコン塗料で仕上げる鉄部塗装を実施しました。工事費用は約50万円。
もしこの段階で放置していれば、2〜3年後には踏板に穴が開き、外階段そのものを交換する必要があり、200〜300万円かかる見込みでした。
結果的に「わずかな投資で数百万円規模の支出を防げた」成功事例です。入居者からも「階段がきれいになって安心」と好評を得て、物件全体の印象改善にもつながりました。
事例2:玄関ドア枠の補修で成約率アップ
築25年の鉄骨アパートを所有するBさんの悩みは、「内見者は来るが成約に至らない」ことでした。不動産会社からも「玄関枠のサビが目立ち、最初の印象で損をしている」と指摘を受けました。
Bさんはドアそのものを交換するには費用がかかりすぎると考え、まずは玄関枠の鉄部塗装を実施。ケレン後、防錆塗料とシリコン塗料で落ち着いたグレーに仕上げました。
施工後は外観が引き締まり、不動産会社から「紹介しやすくなった」と評価。内見者の第一印象も大きく改善され、成約率はおよそ20%アップしました。わずか数十万円の投資で空室改善に直結した典型的なケースです。
事例3:ベランダ手すりの塗装で入居者満足度向上
築27年のアパートを経営するCさんは、入居者から「ベランダの手すりがサビだらけで触りたくない」という声を受け取りました。長年放置してきたため赤茶けたサビが広がり、美観も安全性も損なわれていたのです。
Cさんは入居者の安心感を重視し、全戸のベランダ手すりを塗装することに決定。ケレン処理の後、防錆塗料を下塗りし、耐久性の高いフッ素塗料で仕上げました。
工事後、入居者からは「安心して洗濯物が干せる」「見た目がきれいになって気持ちいい」といった声が寄せられました。退去を考えていた入居者も思いとどまり、結果的に退去率が大幅に低下。さらに口コミで評判が広がり、新規入居希望者からの問い合わせも増加しました。
Cさんは「予防的に手を打ったことで退去を防ぎ、満室経営が続けられた」と語っています。
8. まとめ
鉄部は見た目だけでなく、安全性・入居率・資産価値すべてに直結する重要な要素です。
- サビや劣化を放置すると事故や空室リスクにつながる
- 予防修繕は費用を最小限に抑え、経営を安定させる
- 鉄部塗装は「若返り効果」と「安全性強化」の両方を実現する
- 投資回収は早く、補助金を活用すればさらに費用対効果が高まる
「トラブルが起きてから」ではなく「起きる前」に修繕を行うことが、賢いアパート経営の秘訣です。
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