【アパート 屋上防水】そのまま放置して大丈夫?見逃し厳禁ポイント

1. はじめに
アパート経営において、多くの大家さんが気にするのは「外壁の塗装」や「屋根のメンテナンス」。しかし意外と見落とされがちなのが「屋上防水」です。
築年数が経つと防水層は紫外線や雨風にさらされ劣化し、放置すると雨漏りや構造体の腐食といった深刻な問題を引き起こします。
「まだ大丈夫だろう」と思って放置した結果、修繕費が数倍に膨れ上がったり、入居者からのクレームで空室リスクに直結したりするケースも少なくありません。
今回は、屋上防水を放置した場合のリスクと、大家さんが絶対に見逃してはいけないチェックポイントについて詳しく解説します。
2. 屋上防水を放置すると起こるリスク
2-1 雨漏りによる二次被害
屋上防水の劣化で最も深刻なのが「雨漏り」です。
防水層にできた小さなひび割れや剥がれから雨水が少しずつ侵入すると、最初は天井や壁紙に小さなシミとして現れます。
しかし、これを放置すると、雨水は下地の木材や断熱材まで到達し、内部の腐食やカビの発生につながります。さらに鉄筋コンクリート構造の場合は鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートの剥落や構造体の劣化を招くこともあります。
この段階まで悪化すると、単なる防水工事では済まず、内装リフォームや構造補修まで必要となり、工事規模は一気に拡大。結果として数百万円単位の修繕費用を負担しなければならないケースも珍しくありません。
「小さなシミだから大丈夫」と油断するのは危険です。小さな兆候の段階で対処することが、コストを抑える最大のポイントです。
2-2 入居者の信頼低下
雨漏りやカビは入居者にとって「ここに住み続けても大丈夫か」という大きな不安材料になります。天井や壁にシミがあるだけでも「この物件は管理がずさんだ」と判断されがちです。
特に最近の入居者はインターネットで物件の口コミを確認する傾向が強く、一度「雨漏り物件」というレッテルがついてしまうと、その後の入居募集に大きなマイナス影響を及ぼします。
また、不動産会社の営業担当者も「トラブルが多い物件は紹介しにくい」と判断します。結果として紹介件数が減り、内見者自体が集まりにくくなるのです。
つまり、屋上防水の劣化を放置することは、入居者満足度を下げるだけでなく、新規入居希望者を遠ざけ、空室リスクを高める悪循環につながります。
2-3 資産価値の下落
屋上防水が劣化している物件は、売却や担保評価の際に「修繕必須物件」と見なされ、査定額が下がる傾向にあります。
例えば築30年以上のアパートを売却しようとした場合、屋上にひび割れや膨れが見られれば「大規模修繕が必要」と判断され、数百万円単位で価格を下げられてしまうことも少なくありません。
逆に、防水工事を定期的に実施していれば「管理状態が良好」と評価され、査定額アップにつながるケースもあります。つまり、防水を行うかどうかは「将来的な出口戦略」にも直結する重要なポイントなのです。
2-4 修繕コストの増加
防水工事は「早めに対応するほど安く済む」工事です。
小さな劣化の段階なら部分補修やトップコートの塗り替えで数十万円程度で済みますが、劣化が進み防水層そのものをやり直す必要が出てくると、全面改修となり数百万円単位の出費になります。
さらに雨漏りによる内装リフォーム費用、入居者への補償費用まで加われば、コストは3倍以上に膨れ上がることもあります。
「費用を節約するために工事を先延ばしにする」つもりが、結果的に最も高い出費を招く――これが屋上防水を放置したときに大家さんが陥りやすい落とし穴です。
3. 見逃し厳禁!屋上防水のチェックポイント
3-1 防水層のひび割れ・剥がれ
防水層表面に細かいひびが入っていたり、端部がめくれていたりするのは要注意です。小さな傷口からでも雨水は浸入します。特に端部や立ち上がり部分は劣化しやすいため、定期的に確認しましょう。
3-2 水たまりが残る
雨が降った翌日に屋上を見て、水たまりが残っているのは劣化や勾配不良のサインです。水が常に溜まっている状態は、防水層への負担を増やし、ひび割れや剥がれの進行を加速させます。
3-3 雨漏りやシミ
最上階の天井や壁にシミが出ているのは、すでに防水機能が失われている証拠です。シミの色が濃くなっていたり、カビ臭さを感じる場合は、雨水が内部まで侵入している可能性があります。
3-4 ドレン(排水口)の詰まり
排水口に落ち葉やゴミが詰まっていると、雨水がスムーズに流れず逆流し、屋上全体に負担をかけます。詰まりを放置すると局所的に水圧がかかり、防水層の劣化を加速させる原因になります。
3-5 経年劣化(10〜15年が目安)
屋上防水の耐用年数は工法によって異なります。ウレタン防水は10〜12年、シート防水は12〜15年、アスファルト防水は15年以上が目安です。築年数や前回工事からの経過年数を把握し、定期点検を行うことが重要です。
4. 屋上防水を定期的に行うメリット
修繕費を大幅に抑えられる
小さな劣化のうちに補修すれば、数十万円で済むものが、放置すれば数百万円に膨らみます。定期的な点検と補修で「最小コストの維持管理」が可能になります。
入居者の安心感アップ
雨漏りやカビのない住環境は、入居者にとって大きな安心材料です。結果として長期入居を促進し、退去率を下げる効果があります。
建物全体の印象改善
屋上は普段目につきにくい部分ですが、防水が劣化していると建物全体が古びて見えます。防水工事で屋上を整えると、外観全体が清潔で管理が行き届いている印象を与え、内見時の第一印象を大きく改善します。
資産価値を維持・向上
「屋上防水工事済み」と明記できる物件は査定評価も高くなります。管理状態が良好と判断され、売却時や融資時の資産価値向上につながります。
補助金活用で負担軽減
自治体によってはアパートやマンションの防水改修に対して補助金が出る場合があります。補助制度を活用すれば自己負担を大幅に軽減でき、費用面の不安を抑えながら計画的に修繕を進められます。
まとめ
屋上防水は「後回しにしていい工事」ではなく、建物の寿命と経営安定に直結する重要なメンテナンスです。
- 放置すれば雨漏りや二次被害で修繕費が膨れ上がる
- 入居者満足度を下げ、空室リスクを高める
- 資産価値を下落させる
- 逆に早めの対応で、コスト削減・入居促進・資産価値維持につながる
築10年以上のアパートをお持ちの大家さんこそ、屋上防水を「今」見直すことが、安定した賃貸経営の第一歩です。
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