【アパート 階段補修】長期的に得するための修繕とは?

1. はじめに
アパート経営において、共用部の階段は入居者の安全と印象の両方を支える重要な要素です。
しかし、階段の劣化は気づきにくく、気づいた時にはサビ・ひび・ぐらつきが進行しているケースも少なくありません。
「修繕費をなるべく抑えたい」という気持ちは当然ですが、
**“安く直す”よりも“長持ちさせる”**ことこそが、長期的に見てオーナー様にとって最も得する選択です。
本記事では、階段補修を“短期修繕”ではなく“長期投資”として考えるポイントをわかりやすく解説します。
2. 知っておきたい「短期補修」と「長期修繕」の違い
2-1 短期補修は“応急処置”に近い
サビが出た部分だけ塗る、ひび割れをコーキングで埋める――
こうした部分的な補修は、一時的には見た目が良くなります。
しかし下地処理が十分でなければ、数年で再発してしまうことも。
短期補修の特徴は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 安い(10〜30万円程度) |
| 効果 | 一時的(2〜3年) |
| メリット | すぐ施工できる |
| デメリット | 再発しやすく、トータルでは高コスト化 |
2-2 長期修繕は“再発防止と寿命延長”
一方、長期修繕は階段の状態を根本から改善し、10年以上の耐久性を目指すメンテナンスです。
ケレン(サビ落とし)・防錆下塗り・高耐久塗料による多層仕上げを行うことで、再発を防ぎ、構造体を長持ちさせます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 中程度(50〜100万円) |
| 効果 | 長期(10〜15年) |
| メリット | 再施工頻度が少なく、資産価値を維持 |
| デメリット | 初期費用はやや高い |
**短期的な出費を抑えるより、長期的に再塗装の回数を減らす方が“得”**なのです。
3. 長期的に得する修繕の3原則
3-1 “早めの補修”が最もコストを抑える
劣化が軽い段階で補修すれば、塗装や部分補修で済みます。
しかしサビが進み、鉄骨の腐食が内部に達すると、**階段全交換(200〜500万円規模)**が必要になることも。
例:
早期塗装 → 60万円(耐用10年)
放置して交換 → 350万円(耐用20年)
費用だけ見ると交換のほうが長く持ちそうですが、
塗装を10年おきに2回行う方が約半額のコストで済む計算になります。
3-2 “耐久性の高い塗料”を選ぶ
塗料の種類によって、耐用年数や防錆性能は大きく異なります。
短期的な安さでアクリル系を選ぶより、シリコンやフッ素塗料を使用した方が、結果的に再施工回数を減らせます。
| 塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
|---|---|---|
| アクリル塗料 | 約3〜5年 | 安価だが劣化が早い |
| ウレタン塗料 | 約5〜8年 | 柔軟性あり・中程度の耐久性 |
| シリコン塗料 | 約8〜12年 | コスパが高く人気 |
| フッ素塗料 | 約12〜15年 | 高耐候性・長寿命・光沢保持が優秀 |
特に「アステックペイント」「日本ペイント」「関西ペイント」などの耐候性に優れた製品を選ぶと、
長期的に塗り替え回数を減らしてトータルコストを削減できます。
3-3 “階段だけ”でなく“廊下・手すり”もまとめて施工
階段と廊下・手すりを同時に施工すると、足場費を共有でき、総コストを20〜30%抑えられます。
また、見た目の統一感が出て物件全体が新しく見えるため、入居率の改善にもつながるのがポイントです。
4. 階段補修にかかる費用と効果の比較
| 修繕内容 | 費用目安 | 耐用年数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 表面塗装のみ | 30〜50万円 | 3〜5年 | 一時的な見た目改善 |
| ケレン+防錆塗装 | 50〜80万円 | 8〜12年 | 防錆・艶・耐久性◎ |
| コンクリート補修+防滑塗装 | 20〜50万円 | 10年程度 | 安全性アップ・劣化防止 |
| 手すり交換+塗装 | 20〜40万円 | 10年程度 | 安全性+デザイン性アップ |
| 階段全交換(鉄骨) | 200〜500万円 | 20年以上 | 構造体から更新(最終手段) |
ポイントは「安く直す」より「長くもたせる」選択。
メンテナンスサイクルを最適化することで、30年間の総コストを大幅に削減できます。
5. 実際の長期修繕成功事例
事例1:築26年鉄骨アパートで防錆塗装→耐用12年の効果
外階段のサビが目立っていたが、腐食は浅かったためケレン+防錆塗装を実施。
使用塗料は耐久12年のフッ素塗料。
仕上がりは艶やかで、施工後7年経過しても劣化ほぼなし。
結果:再塗装回数を減らし、30年間で約100万円の修繕費削減。
事例2:コンクリート階段に防滑+防水仕上げ
築30年のRCアパート。
階段の表面剥がれを補修し、防滑性と防水性の高い仕上げ材を施工。
滑りにくくなったことで入居者からの満足度が向上。
効果:事故・クレームゼロ。安全性アップにより長期入居者が増加。
事例3:階段・廊下・手すりを同時施工でコスト20%削減
築28年の鉄骨3階建てアパート。
階段・廊下・手すりを一体施工し、足場費を節約。
外観の統一感も高まり、**「築浅に見える」**と不動産会社から好評。
結果:施工費を100万円→80万円に抑制し、家賃を維持したまま満室経営を継続。
6. 長期的に得する修繕の進め方
6-1 まずは現状診断から
劣化状況を正確に把握し、**「今すぐ修繕が必要か」「あと何年もつか」**を専門業者に診てもらうことが重要です。
定期的な点検記録を残しておくと、将来の修繕計画が立てやすくなります。
6-2 “ライフサイクルコスト”を意識する
1回あたりの工事費だけでなく、10年・20年単位の総費用で比較しましょう。
短期補修を2回行うより、長期耐久塗装を1回行う方が安いというケースがほとんどです。
6-3 補助金や助成制度を活用する
自治体によっては、長寿命化・安全対策・防滑工事などを対象とした補助金制度があります。
適用されれば費用の10〜30%が補助されることもあり、長期修繕の費用負担を軽減できます。
7. まとめ
階段補修は、
「安く直す工事」ではなく「長く守る投資」。
- 劣化初期で対応すれば修繕費を1/3に削減
- 高耐久塗料・同時施工でライフサイクルコストを最小化
- 長期的な美観維持で家賃・資産価値を維持
築20年以上の物件こそ、長期修繕の視点で“得する補修”を選ぶことが成功の鍵です。
予防・補修・長寿命化をセットで考え、安定した賃貸経営を実現しましょう。
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アパートマンション大規模修繕ダイレクト 東三河店
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