【豊川市 マンション耐震工事】構造別に見る!鉄筋・鉄骨マンションの補強ポイント

1. はじめに
マンションの耐震補強を検討する際に、
まず確認すべきなのが「構造の違い」です。
同じ築30年でも、鉄筋コンクリート(RC)造と鉄骨(S)造では、
地震に対する強さも、補強の方法も大きく異なります。
本記事では、豊川市で多く見られるマンション構造をもとに、
それぞれの特徴・弱点・効果的な補強方法を詳しく解説します。
2. 豊川市のマンション構造の傾向
豊川市は、東三河エリアの中でも住宅・賃貸需要が高く、
特に豊川駅周辺・八幡・御油・諏訪エリアなどには中規模マンションが多く建ち並びます。
その構造を見ていくと、主に 鉄筋コンクリート造(RC造) と 鉄骨造(S造) の2種類に分類されます。
| 構造 | 特徴 | 築年数の多い時期 |
|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 重量構造で耐久性が高く、振動を吸収しやすい。遮音・断熱にも優れるため分譲マンションに多い | 1980〜2000年代前半 |
| 鉄骨造(S造) | 軽量で施工が早く、コストを抑えやすい。主に3〜5階建ての賃貸マンションに多い | 1990年代以降 |
2-1 RC造マンションの分布と特徴
RC造(鉄筋コンクリート造)は、豊川市では昭和後期から平成初期にかけて多く建設されました。
特に分譲マンションやファミリー向け集合住宅の多くがこの構造を採用しています。
コンクリートの厚みがあり、耐火性・遮音性に優れるため、
「しっかりした建物」として評価されてきました。
一方で、築30年以上経過したRC造では、
コンクリートの**中性化(アルカリ性の低下)**が進み、内部の鉄筋が錆びて膨張するケースが増えています。
鉄筋が膨張すると、外壁や梁にひび割れが生じ、
それが雨水侵入の入口となって劣化が加速します。
豊川市は湿度の高い地域で、夏の高温多湿や梅雨の長雨、冬の寒暖差も大きいため、
表面からの劣化進行が比較的早い傾向があります。
また、築40年以上のRCマンションでは、当時の施工基準が現在より甘く、
鉄筋被り厚さ(鉄筋までのコンクリート層)が不足している場合も見られます。
そのため、定期的な外壁診断や鉄筋腐食の点検が欠かせません。
2-2 S造マンションの分布と特徴
一方、1990年代以降に多く建てられたのが**鉄骨造(S造)**の賃貸マンションです。
軽量で施工スピードが早く、建築コストを抑えられるため、
不動産投資ブームの時期に多く建設されました。
S造のメリットは、「工期が短く・コストが安く・間取りが自由」。
特に豊川市の3〜5階建て賃貸マンション、学生・単身者向け物件に多く採用されています。
しかしその一方で、S造は錆びやすい構造でもあります。
鉄骨フレームは湿気や雨水の影響を受けやすく、塗装や防水が切れると一気に腐食が進行します。
特に以下のような部分で劣化が多く見られます。
- 外階段・手すり・通路の鉄骨部
- 屋上架台・バルコニー支柱
- 鉄骨梁の溶接・ボルト部
一度腐食が進むと、塗装を重ねるだけでは補修できず、
鉄部交換や溶接補強が必要になるケースもあります。
さらに、S造は軽量である反面、地震の横揺れに弱く、
接合部の緩みや変形によって建物全体が“ねじれる”リスクもあります。
そのため、耐震補強では「接合部補強」「鉄骨ブレース追加」など、
局所的に構造剛性を高める工法が有効です。
2-3 構造の違いによる修繕・改修の考え方
RC造とS造では、同じ“耐震補強”でもアプローチが異なります。
| 項目 | RC造 | S造 |
|---|---|---|
| 主な劣化要因 | 鉄筋の錆び・コンクリートの中性化 | 鉄骨の腐食・溶接部の劣化 |
| 主な補修方法 | 炭素繊維シート補強、耐震壁増設 | 鉄骨ブレース、鋼板巻き、ボルト補強 |
| 定期点検のポイント | 外壁クラック・鉄筋露出・白華 | 錆・塗膜剥がれ・接合部のぐらつき |
| 対応頻度 | 10〜15年ごとに再診断 | 8〜12年ごとに塗装・補修 |
豊川市では、RC造マンションは構造内部の補強を中心に、
S造マンションは錆対策+外部鉄骨補修を中心に進めるのが基本方針です。
どちらの構造でも共通するのは、「表面がきれいでも内部は劣化している可能性がある」ということ。
定期診断と早期の部分補修が、将来の高額修繕を防ぐ最大のポイントです。
2-4 構造ごとの補助金・診断サポートの違い
豊川市の「建築物耐震改修促進事業」では、
RC造・S造のどちらも対象になりますが、
構造の違いによって診断項目や報告書内容が異なります。
- RC造 → 鉄筋配置・コンクリート強度試験・ひび割れ進行度
- S造 → 錆び率・接合部状態・塗膜厚み測定
これらを正確に評価するためには、構造専門の技術者による診断が必須です。
また、診断結果をもとに補助金申請を行う際も、構造形式を明確に示すことで審査がスムーズになります。
このように、豊川市のマンション構造はRC造とS造の二極化が進んでおり、
築年数・劣化状況・工法選定によって、最適な改修方針が大きく変わります。
「うちのマンションはどちらの構造か分からない」という場合は、
図面や構造計算書の確認、または耐震診断を受けるのがおすすめです。
3. RC造(鉄筋コンクリート造)マンションの特徴と補強ポイント
3-1 RC造の強みと弱点
強み
- コンクリートが厚く遮音性・耐火性に優れる
- 重量があるため揺れにくく、倒壊しにくい
弱点
- コンクリートの中性化により内部鉄筋が錆びやすい
- 鉄筋が膨張するとひび割れ(クラック)を誘発
- 接合部や開口部(窓・ドア周り)のひびが構造的弱点に
豊川市の築30〜40年RCマンションでは、
外壁のクラックや鉄筋露出が多く見られます。
雨水浸入を放置すると、構造耐力が大幅に低下します。
3-2 RC造におすすめの補強工法
| 工法名 | 特徴 | 耐震効果 |
|---|---|---|
| 炭素繊維シート補強 | 柱や梁にカーボンシートを貼付。軽量で高強度 | 居住中施工が可能。耐震性能を1.2〜1.5倍向上 |
| 鉄骨ブレース補強 | 柱・梁間に鉄骨を設置し変形を抑制 | 建物全体の横揺れに強くなる |
| 耐震壁増設 | 開口部やエントランス側に新たな耐力壁を追加 | 建物の剛性を大幅に強化 |
| 柱脚補強 | 基礎と柱の結合部を補強 | 底部からの折損を防止 |
ポイント:
RC造は重くて剛性が高いため、「部分補強+仕上げ一体化」が有効です。
補強後は必ず外壁塗装や防水改修を同時に行い、
鉄筋腐食を防ぐメンテナンスが重要です。
3-3 RC造での補修事例(豊川市内)
築34年・4階建マンション(RC造)
- 症状:外壁クラック・鉄筋錆び・梁の一部損傷
- 工法:炭素繊維補強+外壁再塗装+屋上防水
- 費用:900万円(補助金利用で実質600万円)
- 結果:耐震性能1.3倍、外観もリニューアルし満室回復
4. S造(鉄骨造)マンションの特徴と補強ポイント
4-1 S造の強みと弱点
強み
- 構造が軽く、施工コストを抑えやすい
- 大空間・開口部を確保しやすい
- 柱・梁が露出しており補修が容易
弱点
- 鉄部の錆び(腐食)が進むと強度が大幅に低下
- 接合部ボルト・溶接部の劣化が見落とされやすい
- 振動吸収性が低く、地震時に揺れやすい
豊川市の築25年以上S造マンションでは、
特に階段・手すり・バルコニーなど外部鉄部の腐食が多く見られます。
4-2 S造におすすめの補強工法
| 工法名 | 特徴 | 耐震効果 |
|---|---|---|
| 鉄骨ブレース補強 | 主要フレーム間に鉄骨を追加 | 揺れや変形を抑え、全体剛性を強化 |
| 鋼板巻き補強 | 柱を鋼板で巻いて補強 | 局部座屈を防ぎ、曲げ耐力アップ |
| 接合部補強 | 溶接部・ボルト部を再補強 | 結合のゆるみや破断を防止 |
| 防錆+再塗装 | 腐食部分のケレン+塗装 | 錆進行を抑制し耐用年数を延ばす |
ポイント:
S造では「腐食対策」が最優先。
塗装・防水を同時に行うことで、雨水による内部劣化を防ぎます。
また、階段・通路など共用部の鉄骨補修も耐震性に直結します。
腐食を放置すると、揺れで変形し倒壊リスクが高まります。
4-3 S造での補修事例(豊川市内)
築29年・3階建マンション(S造)
- 症状:鉄骨階段の錆び・接合部ぐらつき
- 工法:鉄骨ブレース補強+防錆塗装
- 費用:650万円(補助金適用で実質430万円)
- 結果:階段・構造ともに安定。外観も刷新され入居率が上昇
5. 構造別に見る「補助金活用と工事計画」
豊川市では、「建築物耐震改修促進事業」の補助制度により、
RC造・S造いずれも最大100万円の補助金が利用可能です。
さらに国の「耐震改修促進事業」を併用すれば、
工事費の1/3〜1/2補助が受けられる場合もあります。
【補助金申請のポイント】
- 構造形式(RC造・S造)を診断で明確に
- 工事内容を図面・見積に具体的に記載
- 着工前申請・完了報告を必ず実施
特にS造は「錆びの補修+構造補強」を同時に行うと、
足場を共有できるためコストを20〜30%削減できます。
6. RC造・S造比較まとめ
| 項目 | RC造(鉄筋コンクリート) | S造(鉄骨) |
|---|---|---|
| 構造の特徴 | 重くて強いが内部劣化が進行しやすい | 軽量で施工が早いが腐食に弱い |
| 主な劣化症状 | クラック・鉄筋錆び・剥落 | 錆び・接合部破断・ぐらつき |
| 有効な補強方法 | 炭素繊維・耐震壁・柱脚補強 | 鉄骨ブレース・鋼板巻き・防錆補修 |
| コスト目安 | 800〜1,500万円 | 500〜1,200万円 |
| メンテナンス周期 | 約10〜15年ごと | 約8〜12年ごと |
7. まとめ
同じ「耐震工事」でも、
建物の構造によって最適な補強方法・費用・工期は大きく異なります。
- RC造:ひび割れ・鉄筋腐食の早期補修で強度を守る
- S造:錆対策と接合部補強で変形リスクを防ぐ
- 豊川市の補助金を活用すれば、実質費用を30〜50%削減可能
- 外壁・防水工事と同時施工で足場コストを節約
「どの構造にどんな補強が合うのか」を正しく理解し、
専門業者の診断を受けることが、最も賢い耐震対策です。
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