【豊川市 マンション耐震工事】施工事例で見る!築古マンション再生の実態

1. はじめに
築30年、40年を超えるマンションが増える中で、
「老朽化が進んできた」「耐震性に不安がある」という声は年々増えています。
外観がきれいでも、内部の鉄筋やコンクリートが劣化しているケースは珍しくありません。
実際、地震の多い日本では、構造的な損傷が「見えないまま進行」している建物が数多く存在します。
豊川市では近年、**耐震補強と同時に外壁・防水・鉄部修繕を組み合わせた“再生型工事”**が増えています。
この記事では、実際の施工事例を通して、
築古マンションがどのように“安全で見た目も新しい建物”へと生まれ変わっているのかを詳しく見ていきます。
2. 豊川市の築古マンションに共通する課題
2-1 見えない部分から進む劣化
豊川市は湿度が高く、夏の暑さと冬の寒暖差も大きいため、
コンクリート内部の鉄筋が錆びやすい環境です。
これが「中性化」と呼ばれる現象で、
時間とともに鉄筋が膨張し、ひび割れや剥落を引き起こします。
特に築30年以上のRC造(鉄筋コンクリート)マンションでは、
外壁に細かいクラックや白華(白い粉状の汚れ)が現れ、
放置すれば内部まで劣化が進行します。
劣化は「外観の古さ」ではなく、「構造の疲れ」から始まります。
表面を塗り替えるだけでは根本的な解決にならないのです。
2-2 耐震基準の違いがリスクを生む
1981年(昭和56年)以前に建てられた建物は旧耐震基準で設計されています。
この基準では、震度6〜7程度の地震に耐える想定がされておらず、
南海トラフ地震のような大規模地震では倒壊の危険があります。
豊川市の旧耐震マンションの多くは、
「ひび割れは見えるが致命的ではない」として補修を後回しにしてきた例が多いのが実情です。
しかし実際には内部で鉄筋腐食や梁の変形が進行しているケースも少なくありません。
3. 施工事例①:築35年RC造マンション 外壁と耐震補強で再生
【現状と課題】
豊川市諏訪地区にある築35年・4階建の分譲マンション。
外壁クラック、屋上防水の剥がれ、そして柱脚部のひび割れが確認されました。
耐震診断ではIs値(耐震指標)が0.45と、倒壊の恐れがある水準。
【実施した工事内容】
- 炭素繊維シートによる柱・梁補強
- 外壁ひび割れ補修+高耐候塗装
- 屋上ウレタン防水
- 共用部LED照明交換
耐震補強と同時に外観も一新する「再生リノベーション型施工」を採用しました。
【工事結果】
- 耐震性能:Is値0.45 → 0.95へ改善(倒壊しないレベル)
- 工期:約5か月
- 費用:1,350万円 → 豊川市+国の補助で実質850万円
入居者からは「建物が新しくなったよう」と好評で、
売却査定でも**+280万円の評価アップ**がつきました。
4. 施工事例②:築38年S造マンション 鉄骨ブレースで耐震性強化
【現状と課題】
豊川市八幡エリアの築38年・5階建S造賃貸マンション。
外階段・通路の錆びが進み、鉄骨フレームの一部が腐食。
耐震診断では構造接合部の剛性が不足しており、
地震時にねじれや変形が起きる危険性がありました。
【実施した工事内容】
- 鉄骨ブレース(筋交い)補強
- 柱脚アンカー増設
- 階段・手すりの防錆塗装
- 外壁シリコン塗装+バルコニー防水改修
外観デザインを損なわないよう、ブレースをエントランス裏に設置。
共用部は防滑シートを新設し、安全性と美観を両立しました。
【工事結果】
- 耐震性能:耐震強度1.3倍へ向上
- 工期:約4か月
- 費用:総額1,100万円 → 補助金活用で実質720万円
結果、入居率が65%から満室に回復。
「見た目がきれいになり安心感が増した」とのアンケート結果も。
5. 施工事例③:築32年RC造マンション 外壁タイル改修+耐震壁新設
【現状と課題】
豊川市御油町にある築32年・6階建マンション。
外壁タイルの浮きと爆裂(剥がれ)により落下事故のリスクがありました。
また、中央階段付近の壁量が不足しており、地震時の変形が懸念されていました。
【実施した工事内容】
- 外壁タイルの全面打診調査+張り替え
- 新たなRC耐震壁の増設(エントランス側)
- シーリング全交換
- バルコニー防水+トップコート仕上げ
施工時に入居者が生活できるよう工期を段階分けし、
部分ごとの足場設置で負担を最小限にしました。
【工事結果】
- 耐震性能:Is値0.6 → 1.05
- 工期:6か月(段階施工)
- 費用:総額1,800万円 → 実質1,150万円
- 効果:見た目・構造ともに新築並みへ再生
不動産査定でも「耐震補強済み」と明記できるようになり、
再販価値が300万円以上上昇しました。
6. 再生工事を成功させるためのポイント
6-1 耐震診断を最初に行う
見た目を直す前に、まず構造の安全性を確認することが重要です。
耐震診断を行えば、
どの部分を補強すべきか、どの工法が最適かが明確になります。
豊川市では耐震診断費用の最大10万円補助が利用可能です。
診断結果をもとに補助金申請を行うと、設計・工事段階でも支援が受けられます。
6-2 外壁・防水・耐震をセットで計画する
別々に工事を行うと足場費用が重複します。
同時施工で足場を共有すれば、コストを20〜30%削減でき、
工期短縮にもつながります。
また、外観の仕上げと耐震補強部分の色や素材を統一できるため、
完成後の見た目も自然に美しく整います。
6-3 補助金と専門業者の活用
耐震補強工事は申請手続きや報告書類が多く、
専門知識のある業者でないと補助金を取りこぼすことがあります。
豊川市内で実績のある施工会社に相談すれば、
診断・設計・申請・完了報告までワンストップ対応が可能です。
7. 築古マンション再生がもたらすメリット
- 構造の安全性が向上し、災害リスクを大幅軽減
- 外観・共用部の美化で入居率アップ
- 売却時の資産価値向上(平均200〜400万円増)
- 長期修繕計画が立てやすくなり、経営が安定
築古マンションは“古い”からこそ、再生による効果が大きい資産です。
安全性を高めることで、建物そのものの寿命を20年以上延ばすことも可能です。
8. まとめ
耐震補強は単なる防災対策ではなく、
築古マンションを「再生資産」へと変える再スタートです。
- 構造の安全性を高めて入居者の安心を確保
- 外壁・防水・設備を同時に整え資産価値を上昇
- 補助金活用で費用を最小限に抑える
「古いからもうダメ」ではなく、「今だから再生できる」。
豊川市のマンション再生は、次の世代へ建物を引き継ぐための大切な選択です。
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